2011年7月24日日曜日

7/16(2)


2011年に50周年を迎えるアルバムが、Bill EvansのVillage Vanguardライブ諸作の他にもあった。
それが、Eric DolphyとBooker Littleの双頭コンボのライブアルバムだ。

- Eric Dolphy at the Five Spot Part 1 & Part 2

これまた、Manhattanでの今は無きFive Spot Cafeでの録音。泣きじゃくるように音で空間を埋め尽くす個性的なプレイスタイルが特徴のEric Dolphyに対して、Booker Littleは一歩も引かずに想像力にあふれる演奏を聞かせ、ライブとは思えないほどの質の高い音楽を奏でている。

この二人が素晴らしいのは言うまでも無いが、ピアノのMal Waldlonの特徴ある和音のバッキングとドラムのEd Blackwellの変則的なスタイルのリズムキープが、スパイスとなって刺激的な音楽を紡ぎ出していると思う。

バンドメンバーが全員黒人ということもあり、終始Eric Dolphy特有のひねくれがありつつも、ノリが良く、アンサンブル等を交えた音楽が続く。このアルバムの音質も管楽器の温かみがあってなかなかのものだと思って録音エンジニアを調べたところ、Bluenote専属的なイメージのあったRudy Van Gelderだった。実は、Rudy Van Gelderは、Sonny Rollinsの大傑作であるSaxisophone Colloususや、Miles Davisのマラソンセッション等の名盤をPrestigeで手がけていたそう。

ちなみに、このアルバムも先述のBill Evans同様に2枚に分かれている。
一曲、10分から15分という気が遠くなりそうな曲目が並んでいるが、長さを感じさせない刺激的な演奏ばかりだ。

この時代のManhattanのジャズクラブでは、こんなに質の高いバンドの演奏を至る所で聴けたと思うと、羨ましくて仕方が無い。

2011年7月23日土曜日

6/25(1)

この日に収録されているお勧めアルバムは、以下3枚。

- Waltz for Debby, Bill Evans (NYC, 1961)
- Sunday at the Village Vanguard, BIll Evans (NYC, 1961)
- Full House, Wes Montgomery (CA, 1962)

Bill Evansの2枚は、ピアノトリオジャズの名盤で、普段からの愛聴盤であるが、先日、丁度録音から50年の節目を迎えたこともあって、いい音で聴きたいと、行きつけのジャズバーに行き、リクエストしてかけてもらった。

流石に高級オーディオ機材だと、我が家では再現できない解像度と臨場感があり、何度聴いても、何かしらの発見がある、飽きのこない素晴らしいアルバムであると再認識した。

Walts for Debbyは、曲もさながら、なんといってもドラムのPaul Motianのシンバルとブラシワークの美しさが秀逸で、共演者が刺激的でないと性急になりがちなBill Evansもこのアルバムでは、共演者の音に耳を傾けて落ち着いた演奏をしているのが、これが名盤になった由縁ではないかと思う。ジャズクラブの最高峰、Village Vanguardでの録音ということで、初夏6月の緑が萌えてウキウキするManhattanの高揚感が、観客等の雰囲気を通して何となく伝わってくる。これもトリオの演奏にも影響を及ぼしているのではないだろうか。

ちなみに、このトリオで唯一存命中のPaul Motianは、テナーのJoe LovanoとギターのBIll Friselの変則トリオを同クラブで観たことがあるが、リズムを刻むというよりも、空間を埋めて叩く数を抑制する侘びと寂びのようなプレイスタイルに変わっていたように思う。

これと、同日録音でベーシストのScotto LafaloをフィーチャーしたSunday at the VIllage Vanguardを立て続けに聴いて、オーナーに「今日で50周年なんですよね」と話しかけると、オーナーもご存知で、「そういえば、もう一枚あるんですよ」と言われて紹介されたのが、これまた愛聴盤のWes MontgomeryによるFull Houseだった。このアルバムは、先の2枚の一年後にCaliforniaで収録されている。黒人メンバーで構成されたせいか、グルーブ感と熱気がすさまじく、夏真っ盛りの汗が滴り落ちるような雰囲気を思い起こさせる、特にドラムのジミーコブのシンプルなリズムキープが、他のメンバーの奔放なプレイを支えつつ鼓舞しているように思う。個人的には8月をイメージさせるアルバムだったのだが、実は、6月だと知って驚いた。この日のBerkeleyは、暑かったのだろうか。